8090系・8590系車両のあらまし
8090系車両のあらまし
8090系は東横線輸送力増強用大型車として1980年から1985年にかけて製造されました。
従来の8000系車両と機器はほとんど同一ですが、コンピュータを用いた立体解析手法を用いることにより断面を床面より屋根方向に1.75度、床下方向に7.93度内側に絞った構造として構体重量で約2d、走行機器の軽量化を含め編成重量で8%の軽量化を達成しており、一層の省エネルギー効果(運転電力30%減)と走行性能の向上を図りました。
形状は大きく分けて、ライトケースが前面帯より下の8091F〜8095F(8000系12次、13次、15次車)、ライトケースが帯上にありATC対応運転台で登場した8097F〜8085F(8000系16次車)、側外板の割付を窓部から幕板部へ変更した8087F・8089F(8000系17次車)の3タイプあります。
※当サイトでは運転台の形状から便宜上8091F-8095Fを前期形、8097F-8089Fを後期形としています。
車両番号は16次車を製造する際に90番台よりあふれたため80番台へ若返っており、最終的に90まで達しています。
番号は製造が古いほうから91→99→80→90となっています。
運転室は非貫通全室運転台方式として前面窓を極力大きくし、前面視野の拡大ならびに客室からの前方見透しの向上を図っています。また、後期形では運転室の奥行き寸法が拡大されています。
前面窓は当初3枚連続で固定されており外観の美しさを引き立てていましたが、後年、破損時に交換が容易になるように個別にHゴムで固定されるように改修されました。
運転台(8090系)
前期形では計器・表示灯類が前面窓の下部に収められたデスクタイプで登場しました。後年、田園都市線ATC化の際に後期形より少し高いタイプの運転台に改修されました。
後期形ではATC対応用の準備運転台として少し高いタイプの物が設置されました。こちらは改修を受けながら現在でも基本的には同じ形状です。
前期形運転台(原形)、
前期形運転台(末期)
後期形運転台(ATC対応)、
後期形運転台(末期)
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8590系車両のあらまし
1988年MM21線乗り入れと東横線のスピードアップに対応するため、正面貫通扉を備えた電動機付き先頭車8590形5両、8690形5両の計10両を製造し8090系大井町線転属で余った中間車を挟み6M2Tとしました。
現在では8M2Tとして田園都市線で2本、4M1Tとして大井町線では1本が活躍しています。
先頭電動車である8590・8690形は8000系20次車として製造されており、また中間車は8090系の中間車と同一ですが、
MT比が高く先頭車が電動機付きのMcであり地下線への乗り入れに対応していることから、ここでは8590系として区別しています。
運転台(8590系)
形状を変える大きな工事はなかったがATC化や直通対応等でコンソール内で細かい変更が行われている。
8591Fでは東横線から大井町線転属に際し、駅停車・臨速ランプが撤去されたが、後の大井町線ATC化の際に再設置されているなど
大井町線初期転属仕様(8591)、
大井町線ATC化後仕様(8591)、
田園都市線仕様
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編成・車両の動き
1980年に7両編成で登場した8090系は1981年から1985年にかけて増備され、東横線の花形として8連10本で活躍しました。
1988年になると8連10本(5M3T)を5連10本(3M2T)にばらして大井町線に転属させ、先頭車として8590・8690形を新造し余った中間車をはさみ8590系8連5本(6M2T)としました。
1997年から2003年には田園都市線輸送力不足に対応するため8590系8連3本を10連2本(8M2T)とし転属、
2003年には東横線に戻りましたが、2005年からは5050系の増備により8590系も4M1Tに組み替えて大井町線へ転属し始めます。
2006年には8590系3本が大井町線に転属、残った中間車を挟み8590系2本は田園都市線へ転属します。
現在では9000系が大井町線の8090系に替わり主力編成となり、8590系も大井町線に1本、田園都市線の2本が活躍するのみとなっています。
線区別営業実績一覧
8090系がどの線区でどのような実績があるのか路線図形式で示しています。
太字は運用された回数の多い線区、破線は回送・試運転等の営業実績のないものです。
8090系線区別使用実績一覧
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データについて
当サイトで公開中のデータは現在全てBVE4用となっています。
BVE5へは各自適宜変換をお願い致します。
フォルダ構成(BVE4)
tkk8090フォルダは基本となる大井町線仕様の8090系データです。
低音仕様の音声ファイル、5両編成、運転台は大井町線後期・田都ATC対応仕様です。
tkk8090_8フォルダは東横線仕様の8両編成、運転台は東横後期・ATC非対応仕様です。
音声はtkk8090フォルダを参照していますから、東横線仕様のみを運転したい場合でもtkk8090フォルダ内に音声ファイルが格納されている必要があります。
ファイル読み込み用の初期フォルダはお使いのBVEに併せて変更してください。
権利・転載等について
無断転載はもとより、二次配布や商用利用も禁止です。
音源や資料などの提供元が多岐に亘るため、音声や画像ファイルの転載については一切を不可とさせていただきます。
ファイル等の貸し出しには応じられませんのでご了承ください。
また前述の理由から権利につきましてはtkk8090Project全体で持つことになります。
当該車両ファイルの路線データ指定につきましては下記までご連絡をお願い致します。
お問い合わせ
8090系データについてはこちらで問い合わせに応じます
下記のアドレスをご利用ください。
typebve(a)gmail.com
※お手数ですが(a)を@に打ち変えて送信してください。
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運転取扱心得
運転上の仕様について
8090系車両データではメトロ総合プラグインを使用しています。
運転台については仕様上、東急式ATS・田園都市線CS-ATCを搭載した大井町線仕様と、東急式ATSのみを搭載した東横線ATS時代仕様の2種がありますので併せて解説します
こちらでは、運転時の基本的な操作方法を解説しています
但しBVE4でのキーアサインは割当てがDefaultの場合ですので、キーアサインの割当てを変更している場合は各自ご参照ください
『 』内を数字で表示しているものは特に指定のない限り、テンキーでないものを指しています
東急式ATSについて
東急式ATSは昭和42年に東横線を皮切りに導入された自動列車停止装置です。
ATS使用区間では昭和32年より導入された車内警報装置と併せて使用しています
進行より下位の信号現示区間に進入すると自列車の速度と信号現示に応じた制限速度とを比較(速度照査)して、高い場合は非常制動にで列車を停止させる仕組みになっています。
照査より低い速度で進入した場合は運転士に注意を促すため車内警報装置(車警)のベルが鳴動します。
前方の信号機が停止現示の場合の速度照査は停止を現示する信号機の外方に設置してある黄色い四角形の標識の位置で15km/hの速度照査をおこないます。
前方の信号が上位を現示するか、駅に停車して運転士知らせ灯が滅灯した場合には車警確認の操作をしましょう→『Space』キー。
東急線における信号速度制限は次のとおり
進行 線区最高速度
減速 60km/h
注意 45km/h
警戒 25km/h
停止 0km/h 【外方にて15km/hの速度照査あり】
運転操作ついて
路線ファイルを読み込んだらまず『7』を押して運転鍵をまわしましょう
保安装置の電源が入りベルが鳴動しますから、ATS/ATC切換スイッチおよび前後切換スイッチが正しい位置にあることを確かめます
ATS/ATC切換位置を選択する場合は『5』キーで左回し、『6』キーで右に回します
前後切換位置を選択する場合は『End』キーを押します(通常は『前』位置のまま)
これらスイッチ類や運転鍵の操作はその多くがマスコンが『非常』位置かつ、レバーサ『切』位置の場合に操作できるので運転上保安装置を変更する場合やエンド交換をする場合は注意しましょう。
CS-ATC区間を運転する場合は自動的に信号を受信してベルが鳴り止みますが、東急式ATS区間を運転する場合は車内警報装置のベルが鳴動したままになりますので『Space』キーを押して車警ベルを止めましょう
その他機能
◎種別表示灯
路線側で指定のない場合はブレーキ位置にあることに注意して、『PageUp』『Pagedown』キーを使用して種別を表示します。
東横線仕様の運転台では種別表示を切り替えることによって運転士用の種別札も出るようになっています。
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制作雑話
制作の経緯
蒲田での飲み会にて将来的に東横線で急行運転をするためには8090系が必要だという話題が持ち上がり、その流れでとりあえず大井町へ出撃したところ停車中の8090系を発見し、即時録音し制作に至りました。
運転台について
当初は写真を切り貼りして作り表示灯類だけCGで配置するという簡単なもので、表示灯の文字に関しても以前に8500系の表示灯パネルから採取した文字を使用していました。
しかし夜間用パネルに対応するにあたり写真の切り貼りでは計器灯などの光の反射の自然さに限界が来たため、基本の部分は残しながら計器周りだけCGで新たに描き起こすことにしました。
8090系の表示灯に使用する書体は8000系とも8500系とも違う独特のものだったので写真を撮ってきて(あるいは撮ってきてもらって)は文字を線でトレースし切り出す作業を繰り返しました。
制作の途中ではATC表示灯のATC非常の"常"とATC常用の"常"の字形が少し違うなど、よく観察せねば気がつかないような発見があったりしました。
大変だったのは計器灯の再現で、夜間の乗務員室は運転士真後ろの遮光幕も閉まっていることから横から斜めからと観察して格闘しました。
8090系の計器灯は光の漏れ具合が他の車種に比べても特に派手です。なんといってもデスク上のスタフを照らす灯があるのがポイントですね。
また黒地の電流計と白地の電流計では反射の具合を変更しています。
種別表示灯については『普通』のみ手持ちでした。大井町線運用では急行なんてないので(田都線中央林間からの直通急行は全て種別表示器改修車=9000系等のLED表示器)、どこから文字を引っ張ってこようか悩みました。
結局、東芝だか小糸だかのダイヤル式設定器の文字盤の文字がそれらしかったので『普通』の字形と比較して近いように整えました。
こちらも文字の級数が大きいタイプの表示灯と2つありまして、公開中のデータでは小型のものを再現しています。
東横線用の種別札の制作にあたっては以前開催された鉄道フェスティバルの際に後々使うであろうと撮っていた写真が非常に役立ちました。
普段から色々準備して写真を撮らなくてはと改めて再認識した次第です。
種別札は非常に独特な字形で運転台に表示するとても格好良く映えます。某著名作者氏が初見で驚嘆の雄叫びをあげていたのが印象に残ります。
今は標準フォントやUDデザインのフォントに押されて、なかなか味のある書体が少なくなりました…
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Download
《基本》大井町線仕様
大井町線ATS時代仕様です。田園都市線CS-ATC対応の5両編成です。
Download(10.8MB-Zipped)
《追加》東横線仕様
東横線ATS時代仕様の追加パネルです。
130km/h速度計、車警、東急ATS搭載の8両編成です。
運転するには大井町仕様のデータが必要になります。
解凍したデータをtkk8090、tkk8090_8ともTrainフォルダ内に置いてください。
Download(3.26MB-Zipped)
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